映画『ソフィーの選択』

余韻を味わいたい時に

ネタバレはしません。

これは私の映画記録です。

『ソフィーの選択』は

ずっと見ようと思ってリストに入れていた映画です。

でも、なかなか見ることができなかった。

なぜなら勇気がなかったから。 

『ソフィーの選択』概要

『ソフィーの選択』

公開 1982年 日本公開 1983年10月15日

監督・脚本 アラン・J・パクラ

制作 アメリカ

上映時間 150分

出演 メリル・ストリープ ケヴィン・クライン ピーター・マクニコル

ずっと昔に聞いて、10年近く頭の中に残っていた『ソフィーの選択』。

なぜ10年も見ることができなかったかと言うと…

辛すぎる映画だと聞いていたから。

その辛さが、他のどの映画に比類なき、筆舌に尽くしがたい辛さだと。

どの映画評も同じような感じ。

映画評を見聞きするたび、ためらっていました。

平和な世界でのほほんと生きている自分に耐えられるだろうか?と。

『ソフィーの選択』は辛すぎる、でも…

でも、すばらしい映画だとも聞いていました。

主演のメリル・ストリープは『ソフィーの選択』で

第55回アカデミー賞の主演女優賞を獲得しています。

その後もずっと活躍し、話題作への出演がひっきりなし。

彫刻家の夫と初婚を貫き、4人の子どもがいて家庭生活は盤石のようです。

息の長い女優さん。きっと生涯女優業を続けるでしょう。

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011)で二度目の主演女優賞。

ノミネート回数だけでも圧倒的。もはやアカデミー賞の常連です。

そんなメリル・ストリープによる渾身の作品ですから、

見ないわけにはいきません。だけど…(-_-;)

 

『ソフィーの選択』を観た感想

では最初に感想から。

☆五つで評価します。

〇映像美 ☆☆☆☆

〇音楽 ☆☆☆

〇役者たちの魅力 ☆☆☆☆☆

〇ストーリー展開 ☆☆☆☆☆

〇悲劇性 ☆☆☆☆☆+α

〇観終わった後の余韻 ☆☆☆☆

〇スッキリ度 ☆☆☆ 

〇観て良かったか ☆☆☆

〇もう一度見たいか ☆

〇おすすめか ☆☆☆

〇総合評価 ☆☆☆ 

 

 

感想つらつら

第二次世界大戦後、人々が平和を取り戻しつつあるアメリカが舞台です。

もう底抜けに明るい所かまわずいちゃつく隣人カップルと、

田舎から小説家を目指してやってきた青年の交流が主軸。

青春ストーリーなのか?と思いきや、

朗らかに笑っているメリルの美貌から、ふとした瞬間にこぼれる底知れない悲しみ

一見、知的でユーモラスな彼氏の二面性

観客は小説家志望の普通の青年の視点で

このバカップルの秘密を目撃することになります。

何も知らないで観た人もだんだん勘づきます。

これは、ただ明るいだけのバカップルではないと。 

噂の悲劇性はいかほどか?

上の評価でもわかりますが、

悲劇性は☆5つどころではありませんでした。

やはりつらかった。

「Sophie’s Choice」の意味。

こんな選択ってあるんか…選べないよ…

と怒りと疑問が交互に襲ってくる。

正に、身が引き裂かれるような苦痛が描かれていた。

ソフィーはこの選択をした時に、心が死んでしまったのでしょう…

名場面は繰り返し見たくなるけれど、

二度と見たくない場面です。 

 

まっちばこ
まっちばこ

こんな苦痛をホロコーストで味わった人が何百万人といたんだな… 

戦争って何なんだ…とにかく絶対にくり返したらダメだ。

ウクライナの戦争でも思いますが、

戦争は人間がもともと持っている残虐性を解き放ってしまうのかもしれません。 

観て良かったところ

”選択”をする時のメリルの演技、

ホロコーストで過ごすやせ細ったメリルの演技、

過去と今を行ったり来たりするメリルの演技・・・

メリル・ストリープの演技力の凄さは言うまでもない。

そして、この女優はこんなに美しかったのかと驚きました。

『プラダを着た悪魔』にはない、メリルストリープの魅力を再発見した気分です。

そして、もうひとつ。

このような映画の良いところは

「戦争が許される正義などない」と

反戦思想を新たにしてくれるところだと思いました。 

『ソフィーの選択』をおススメしたい人

・はっきり言って万人にはお勧めできません。

・小学生以下はやめた方がいいでしょう。

・元気があって、精神的にも安定している時にしましょう。

・「自分が世界で最もツイていない人間だ!」と落ち込んだ時は逆に良いかもしれません。

感受性の高い人は

観終わった後、かなり引きずって落ちこむ可能性があります。

超・心配性の私は

「日本にナチスみたいなのが来たらどうしよう」

「私がソフィーだったら…?」と真剣に考えて悩んでしまいました。

今や、その脅威は無きにしも非ず、なんですけどね。

まとめ

ストーリー展開、俳優の演技・魅力、音楽、丁寧に作られたいい映画ですが、

精神的に衝撃は大きいので観る時は選びましょう。

でも、昔の映画ならではの丁寧な作りが光っていました。

また、メリル・ストリープの魅力と実力が分かる映画でした。

一度観ておいて損はないと思います。

おわり

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